結崎駅を舞台に、みんなが主役の“座”をつくる

私たちの川西町は、昭和40〜50年代の団地開発で人口が急激に増えて、大型商業施設や工業団地が建設されました。バブル期前後に人口は伸び続け、2つの小学校は児童も多く、小さいながらも活気あふれる町として成長していきました。ところが今、人口減少とともに少子高齢化も進み、まちの未来を担う子ども達の数は年々減少していってます。また、21世紀になってからは町周辺の幹線道路整備が進み、町外に大型商業施設がどんどん進出しました。このまま、私たちは未来を迎えてよいのでしょうか。

川西町が奈良県と共に進めている「近鉄結崎駅周辺地区まちづくり基本構想」は、2017年（平成29年）3月までに実施された結崎駅8800人フューチャーセッションでの声やニーズを元に作成が進められています。

この基本構想では、人口減少や高齢化社会が進む川西町の現状を丁寧に把握することから始めました。さらなる厳しい未来が予測されることから、工業団地への企業誘致やコミュニティバスなど公共交通機関の充実という川西町の戦略も評価しました。さらに、結崎駅8800人フューチャーセッションを基礎に、駅周辺の空間計画や道路計画に至るまで、基本構想をまとめています。

基本構想を取りまとめるのは川西町や奈良県という行政ですが、新しい結崎駅や周辺エリアの主役はあくまで町民と駅利用者です。

基本構想コンセプト

「結崎駅を舞台に、みんなが主役の“座”をつくる」

室町時代の発祥とされる結崎座は、室町幕府の将軍から庶民に至るまで大層人気を博した“座”でした。結崎座は大和猿楽のひとつで、いわば「芸能」の元祖とも言える存在です。21世紀の現代においてその役割は少し異なりますが、その地域に根付いた、その地域の人々による、その地域の人々のための、その地域ならではの楽しみを、データだけでは厳しい未来がやってくる今こそ、私たち川西町民自ら創り出す必要があります。結崎駅周辺が新しい“座”として、日常的に多くの人々が集まり、人と人とを結ぶ場所を目指します。

基本方針1　集まる

結崎ならでは、の「にぎわい拠点」づくり

未来の川西町にとって大切な子育て世代を中心に、お年寄りをはじめ多世代の人々が気軽に使えること。思い思いに過ごせる空間であること。結崎駅周辺が、まるで公園のような多様な空間を創出します。

基本方針2　つながる

顔が見えるコミュニケーションで人と人、人と街を結び付ける

人口も面積も小さな川西町の小ささを活かして、利用者や運営者の顔が相互にわかり合える仕組みを構築します。建物や広場・道路などハードは行政主導で整備しますが、運営など“ハート”は将来的に町民を含めた民間による自律性・自立性・持続可能性が高いレベルで進められるよう、今後も情報開示と共有に努めます。その仕組みが「つながる」の核になります。

基本方針3　発信する

新しくて楽しい川西町の魅力を発信する

町民と行政の新しい関係を構築した上で、結崎駅周辺の新しくて楽しい魅力を国内外へ情報発信します。川西町が持つ秘めた魅力と実力を再検証し、世界に二つと無い空間を結崎駅周辺に整備し、「行ってみたい」「体験してみたい」「会ってみたい」魅力を発信します。

今後、川西町で人口が大幅に増えることは考え難い。しかしながら、結崎駅を中心に新しい人々のつながりを創造すること。徒歩や自転車、自動車のルートが安全に整備され、徒歩圏内で買い物や通勤通学が成立すること。官民の棲み分けを整理、民間の商業がしやすい環境が整備されること。それらが行政主導ではなく、川西町民自ら意志を決定し、自立的かつ自律的な未来を持続運営できること。これが新しい時代の川西町の基礎であり、結崎駅はその核になるのです。以上のとおり、結崎駅8800人フューチャーセッションの成果は、いまも大切に議論が進められています。

今後の流れ

2020〜2021年ごろ（平成32〜33年ごろ）　完成、供用と運営開始

川西町民の皆さん、結崎駅をご利用の皆さん、近い将来に川西町へ移住しようと考えておられる皆さん、ぜひお楽しみにお待ちください。今後も本サイトで順次情報を提供します。（以上）